アースマラソン・ヨット用語解説

(2009年2月15日更新)


【Aeolus号(エオラス号)】
1988年、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。
ギリシャ神話に登場する風の神"アイオロス"をラテン語で表し『エオラス』と命名された、現在は鴨川を拠点とする日本国籍の帆船。
ただ今間寛平と比企啓之を乗せ、目的地ロサンゼルスに向かって元気に航行中。
凪の時は優しく走り、また時化の時には彼らを守るべく海と闘うたのもしい仲間。


【AIS】
自動船舶識別装置。
レーダーと接続することで、船名、位置、針路、速力、目的地などのデータをレーダー画面上に表示することができる。


【GPS】
全地球測位システム(Global positioning system)。
人工衛星から発射される電波を受信し、受信機の位置(船位)を知ることができるシステム。
受信機の事をGPSと呼ぶこともある。受信側のシステムが単純なため、端末は小型軽量、安価となるうえ、精度面でもあらゆる電波航法を凌ぐため、他の追従を許さない。
クルマに積まれるカーナビもGPSの一つだ。


【LED】
発光ダイオード(Light Emitting Diode)
同じ明るさを持つ通常の電球と比べて、電気の消費量は約10分の1という特徴を持つ。
最近は、信号機や自動車のバックライトなどにも使われている。
陸上のように自由に電気が使える環境にない小型ヨットの場合、省エネでたいへん便利な光源となる。


【インマルサット】
赤道上空35,786kmにある通信用静止衛星による衛星通信サービス。
ほぼ全世界をカバーしており、日本ではKDDIによって、サービスが提供されている。
これを通じて、エオラス号からのブログの更新、テレビ電話中継が可能になっている。


【ウインドベーン】(通称:いい子ちゃん)
本来は風を受け常に風の方向に向く板のことだが、これを利用する自動操舵装置そのものをウインドベーンと呼ぶのが一般的。
ヨットがコースを外れるとベーンに風が当たって動き、その動きで水中にある小さい舵が動く。
この小さい舵に働く水圧で舵を切り、元のコースに戻す。
シンプルにして合理的、クリーンエネルギーの自動操舵装置だ。


【ウィスカーポール】
船尾方向から風を受けて走るときに、ジブをメインセールの反対側で展開する(観音開き)ためのつっかえ棒。


【オートパイロット】(通称:良子ちゃん)
自動操舵装置。特に電動のものをオートパイロット。
電力を用いないものをウインドベーンと呼び分ける事が多い。略してオーパイ。商品名から、オートヘルムと言われることもある。


【オルタネーター】
交流発電機。
エンジンに連結され、Vベルトで回転を伝えている。直流のバッテリーに蓄えて使うので、整流器で直流に変換する。直流の発電機はダイナモ。


【観音開き】
追い風での帆走中、メインセールの逆側にジブを開いてセーリングすること。
左右の扉を中央から両側に開く様を観音開きといい、仏壇などに用いられるさまからこう呼ぶ。


【キッチンタイマー
あらかじめセットした時間がくると、アラームでお知らせしてくれるタイマー。
エオラス号では、ワッチ交代の際の目覚ましとして使用している。また、パスタのゆで時間などを計る際にも便利。


【機帆走】
セールとエンジンを併用して走ること。


【キャビン】
船室。
船首にあるものをバウ・キャビン、中央をメイン・キャビン、船尾にあるものをアフトキャビンという。


【ギャレー】
船の炊事場。
船ではキッチンという呼称はほとんど使われない。


【金芽米】
白米では取れてしまう「亜糊粉層(うまみ層)」と「金芽(胚芽の基底部)」が残っている、栄養価が高く、甘みとコクのあるお米。


【コクピット】
デッキから一段下がった窪み。
一般的な英和辞典では、「ヨット、ボートの操縦席」とあるが、『ヨット、モーターボート用語辞典』では、「コクピットを操縦席と同義語ととらえる向きがあるが、誤りである。」とあるため、操縦席とは一概に言えない。
ここでは、舵をとったり、セールを調節したり、食事もする...そんな場所である。


【コンパス】
羅針盤。
方位を知る、最も重要な航海計器。ほとんどのヨットでは磁力を用いた磁気コンパスを使う。


【シーマン】
間寛平と比企啓之の現在の属性。
海の男。船乗りのこと。


【ジェノア】
ジブの一種。
一般的には、メインセールにオーバーラップ(重なる)する大きなジブをこう呼ぶ。


【時化(しけ)】
強風により波風が強い海上の天候。荒天。
雨が伴わなくても、強風で波が高ければ時化である。


【シバー】
セールを風にたなびかせること。
セールから風が抜けて裏風が入る、あるいはバタバタたなびくこと。


【ジブ】
マストより前に展開するヘッドセールの中で、三角帆をジブと呼ぶ。


【ジブファーラー】
「ファール」とは「巻く」という意味。ジブをフォアステイに巻き込む装置をいう。


【ジャイブ(ジャイビング)】
風下方向に走りながら、セールが風を受ける面(タック)を変える動作。
メインセールが大きく左右に移動する。


【ストーム・ジブ】
面積の小さな荒天用ジブ。
非常に強い風の時に使う。
エオラス号は、さらに面積の小さい「スーパーストーム・ジブ」も搭載している。


【スプレー】
波しぶきのこと。
エオラス号では、ハードドジャーの中にいればスプレーをかぶらなくて済む。


【セール】
風を受けて前進推力とするための帆。


【ソイジョイ】
小麦粉を使用せず大豆を粉にした生地にたっぷりのフルーツを加えて焼き上げた栄養食品。
大豆タンパクやイソフラボンなど素材由来の栄養素をおいしく摂ることが可能。


【ダースベーダー】
数日間洗髪をしない際に伴うかゆみに打ち勝つために洋上で考案された格好、またはその模様。
また、映画「スターウォーズ」シリーズの中では、架空の人物キャラクターとしても登場している。


【タック】
1.セールの下辺前端。
2.ヨットが走っている時、右舷側が風上になればスターボードタック。左舷が風上ならポートタックという。
3.タッキングの略。(タッキング→風上に向かって方向転換し、タックを変えること。)


【使いっ走り】
1.あちこちに使いに行くこと、またはその人。
2.エオラス号においては、海面をすばやく走る波で、うねりとは違う向きで突然船体に当たり、バーンと音を立てる波のこと。
その規模がもっと大きく、船を根こそぎグイッとひっくり返しそうになり、船体に当たる音もドォーンと大きい波のことをとくに「おっさんの使いっ走り」と呼ぶ。


【デイ・ラン】
1日に走る航程。(=距離)


【ドジャー】
コンパニオン・ウェイ(キャビンからコクピットに通じる出入り口・通路)付近に取り受け、前方、あるいは左右方向からの風やしぶき防ぐカバー。
ステンレスの骨組みにUVクロスなどかぶせる小型テントのようなもので、クルージングには極めて有用。
エオラス号はアルミ製の頑丈なハードドジャーを設置しており、航海中はここにいることも多い。


【凪(なぎ)】
まったく風がない状態。


【バース】
船内の寝床。または、船の係留場所。


【ハーネス】
安全(船の場合はとくに落水対策)のために身につける装着帯。
金具にハーネスラインをつけ、その先端を船のどこかに固定しておけば命綱となる。


【バウ】
船首。船首部一帯。


【バウスプリット】
船首部に突き出た頑丈なスパー(マストやブーム、などの棒材全般をいう)。
ここからステイ(マストの前後を支えるワイヤ・ロープやロッド類)を取れば、より大きなセールが展開できる。


【ハッチ】
採光、通風のために開け閉めが出来る開口部。
物や人の出入りに用いる場合もある。


【馬場さん】
株式会社気象海洋コンサルタント代表・気象予報士・技師長。
エオラス号に毎日気象情報と進路予想を送信し、着実にかつ確実にアメリカへ導く、影の立役者。


【ヒーブ・ツー】
セールを揚げたまま船を止めて漂泊すること。


【日付変更線】
正式には国際日付変更線という。
西経東経180度の子午線を基に、この線を東に越えるときは前日の同じ時刻にし、西に越えるときは翌日の同じ時刻にする。(一部は行政区域によって折り曲げてある。)
地球を西に進めば進むほど地方時は遅れていき、一周すると24時間遅れるということ。
エオラス号は日本時間2009年2月2日(月)12時6分に日付変更線を通過した。


【ピッチング】
船首と船尾が上がり下がりをするような船の動き。縦揺れ。


【ファーラー】
セールを巻き込む装置。
ジブを巻き込むものはジブファーラー、メインセールなら、メイン・ファーラー。


【ファンベルト】
エンジンの回転を、主にオルタネーターやウォーターポンプ(冷却水循環ポンプ)に伝えて作動させるゴム製のベルト。
Vベルトとも呼ばれる。


【フル・セール】
最大限のセール・エリアにしている状態。


【ブルー族】
エオラス号で生活する二人の民族の呼称。
汗をすばやく吸い上げて発散し、気化熱による体温のロスを最小限に抑える繊維で作られた、青い着衣の上下を身にまとっていることからこう呼ばれる。


【ブロー】
周りと比べ、強く吹く風。


【ヘッドセール】
マストの前に展開するセールの総称。


【ヘディング】
針路。船首が向いている方向。


【マグロ】
1.スズキ目・サバ科・マグロ属に分類される魚の総称。鮪。日本をはじめとする世界各地で、重要な食用魚として漁獲されている。
2.ひどい船酔い状態となり、まったく動けずにキャビンから出てこなくなり、使いものにならなくなったクルーのこと。


【メイン(メインセール)】
マスト後方、ブームの上に展開するセール。


【ヤンキージブ】
エオラス号のように1本マストで2枚以上の前帆を張る帆走において、一番前に張る帆の種類の一つ。
ジェノアより面積が小さいため、取り扱いやすく、前方の視界も良い。


【ランドフォール】
まったく陸地が見えない航海が続いた後、初めて陸地を視認すること。
いつの時代も、船乗りは誰よりも早く陸地を見つけ「ランフォー!」と叫ぶことを夢見ている。


【リーフ】
風の強さに合わせて、セールの面積を減じること。縮帆。
メインセールには、1ポイントから本格的な外洋艇では4ポイントまである。
数が増えるほど、セールの面積は小さくなっていく。
ジブにも同様にリーフできるものがあり、またジブ・ファーラーを途中まで巻き込んで使うときもリーフと呼んでいる。


【レーダー】
電波の反射で、陸岸、物標、他船などの存在、あるいは方位や距離を測る航海計器。
視界不良時、夜間においては第2の目として活躍するほか、目標物からの方位、距離を測定することで船位測定にも用いる。


【レグ】
1.区切りになる区間。港から港までの区間など。
2.タッキングとタッキング、あるいはジャイビングとジャイビングによって区切られた区間。


【ローリング】
船の横揺れ。
傾くだけならヒールで、ローリングは周期をともなう。


【ワッチ(ウォッチ)】
交代で見張りや操船に当たる当番。
2晩以上の航海となると、ワッチは重要な生活ペースとなる。


【ワッチオフ】
ワッチの非番、非当直の状態。
ただし、全員でやらねばならない作業にあたる際、荒天時や緊急時などは、この限りではない。


参考:『実践ヨット用語ハンドブック』(高槻和宏著・舵社刊)